『AIの遺電子』最小限のネタバレで魅力を紹介!

©山田胡瓜(秋田書店)/AIの遺電子製作委員会2023

2023年7月から夏アニメの1つに『AIの遺電子』が放送されました。

 
メイト先生
この物語は、技術の進歩が加速し、人間と同レベルの知性・感情を持つヒューマノイドが共存する近未来を舞台に描かれるSFストーリーです。

この作品に登場するヒューマノイドは、知性や感情以外の部分でも人間とほぼ同じであり、体験の記憶による人格形成や成長や老化の肉体変化などを含めて人間とあまり変わりません。

ヒューマノイドにも当然ながら人権はあり、互いのへだたりは少なく打ち解けている関係ですが、双方の考え方が異なることでどうしても起きてしまう問題に重点を置いた物語です。

この作品の主人公須堂 光(すどう ひかる)は、ある目的を持ちながらヒューマノイドを治療する専門医で、様々な悩みを持つヒューマノイドが訪れます。

『AIの遺電子』は、毎話ごとに完結するオムニバスストーリーで描かれ、私達が暮らす現実世界とは程遠い近未来を舞台にしているフィクションですが、フィクションだと分かっていても感情移入してしまうくらいに毎話考えさせられる内容になっています。

今回は、アニメ化をきっかけに視聴を考えている方や漫画を読むか悩んでいる方に向けて、この作品の内容や魅力・見どころを極力ネタバレを控えた上で紹介して行こうと思います。

・この作品の視聴や読書を考えている。
・この作品が注目される理由を知りたい。
・自分に合っている作品なのか確かめたい。
・最低限のネタバレで作品の本質を知りたい。

結論を先に述べると、『AIの遺電子』の魅力・見どころは以下の通りです。

『AIの遺電子』の魅力・見どころ

  1. 世界観
  2. 考えさせられる話
  3. 近未来型ブラックジャック
  4. 1話完結型

具体的な理由に関しては、下記で紹介しています。

魅力を紹介していく前に、まずは『AIの遺電子』について、基本情報とあらすじについて紹介します。

『AIの遺電子』とは?

『AIの遺電子』は、漫画家の山田 胡瓜(やまだ きゅうり)さんによって描かれたSFストーリーです。

2015年11月に少年漫画雑誌を取り扱う「週刊少年チャンピオン」で連載が始まり、2017年8月まで連載されました。(全8巻)

そして2か月後の2017年10月に『AIの遺電子』の続編、『AIの遺電子 RED QUEEN』が「別冊少年チャンピオン」にて2019年6月まで連載されました。(全5巻)

現在では、『AIの遺電子 RED QUEEN』のさらに続編である『AIの遺電子 Blue Age』が連載中となっています。(2023年9月時点で6巻まで)

『AIの遺電子』をインターネットで検索すると「打ち切り」のワードが表示され、『AIの遺電子 RED QUEEN』が連載終了時に呟かれていました。

実際打ち切られてはいませんが、最後の2巻が急展開に物語が進むため、そのように感じてしまう方もいるようです。

 
メイト先生
最後の方は少し内容が複雑で難しいですが、打ち切りの話題に関しては特に気にしなくてもいいかと思います。

ちなみに、この作品は3部作に分かれていますが、『AIの遺電子』は1話完結型の日常編、続編の『AIの遺電子 RED QUEEN』では主人公の目的に重点を置いた連続ストーリー、そして現在連載中の『AIの遺電子 Blue Age』は第1作の前日譚が描かれています。

アニメでは1話完結型の『AIの遺電子』が2023年7月から夏アニメとして放送され、アニメーション制作を担当しているのは「マッドハウス」です。

「マッドハウス」は古くからある大企業で「オーバーロード」、「魔法科高校の劣等生」、「ノーゲーム・ノーライフ」映画では「サマーウォーズ」など、数々の有名作を制作しています。

『AIの遺電子』の作画に関しては、多少乱れている場面もありましたが、この作品はアニメの作画に頼らずとも、内容自体が面白いので、作画をめちゃくちゃ気にしてしまう方以外なら問題なく視聴できると思います。

『AIの遺電子』あらすじ

これは、私たちの未来の物語 ――。

21世紀に始まったAIの圧倒的な進歩は、
社会の発展に寄与する一方、高い知性を持つ機械を道具として使う是非を、
人類に突きつけた。
そして22世紀後半。人々は「産業AI」とは別格の存在として、
人権を持った「ヒューマノイド」を当たり前に受け入れ、
共に暮らしている。

須堂光は、ヒューマノイドを治す新医科の医者として、
ヒトとAIの共存がもたらす「新たな病」に向き合っていく。

時に、裏の顔も使いながら……。

©山田胡瓜(秋田書店)/AIの遺電子製作委員会2023

ヒューマノイドは人間とほとんど同じ存在ですが、ヒューマノイドは頭が壊れない限り死ぬことも病気を患う事もありません。

ですが、そんなヒューマノイドにも、人間にはない特有の病が存在します。

具体的な病に関してはのちに詳しく紹介しますが、その病を治療する職業がヒューマノイド専門医でああり、主人公の須堂 光(すどう ひかる)もその一人です。

そしてこれものちに詳しく紹介しますが、この世界ではAIに関して行ってはいけない犯罪行為があり、須堂 光モッガディートと名乗り、それに関与する闇医者でもあります。

ある程度『AIの遺電子』がどのような物語なのか掴めたと思いますが、まだまだ疑問を持つ部分も多いと思うので、この先最低限のネタバレに留めた上で魅力や見どころを物語の本質に迫り紹介して行きたいと思います。

『AIの遺電子』魅力

魅力① 世界観

『AIの遺電子』は、人工知能を搭載したヒューマノイドと人間が共存する近未来を舞台に描かれます。

私達が暮らす現代社会で人間とヒューマノイドが共存する世界は親近感が湧かないかも知れません。

フィクションとして描かれているため、そこは当然かも知れませんが、近い将来この作品のように人間とヒューマノイドが共存していても不思議ではありません。

この作品の素晴らしい所は、もしもAIが発展した未来が来るのであれば起こるであろう道徳的・倫理的・法的な問題が描かれている所です。

そして、作者の山田胡瓜さんは漫画家になる前はIT分野の記者であったこともあり、信憑性がとても高いです。

 
メイト先生
山田胡瓜さんのX(旧:Twitter)のいいね欄には、AIに関する話もあり、何個か読みましたがかなり難しい内容でした。(そのくらいAIに関して詳しい方が書いています)

どこか遠くない未来にありそうな技術によるワクワク感、そして実際に起こりそうな問題から抱く不安感には、フィクションだと分かっていても感情移入してしまいます。

魅力② 考えさせられる話

先んじてこの作品が、AIが発展した世界で起こりそうな道徳的・倫理的・法的な問題が描かれていることを紹介しましたが、その問題それぞれには、人間やヒューマノイドが抱える悩みがリアルに描かれ、AIとの共存や人間としての在り方を考えさせられる深い内容になっています。

その具体例として、『AIの遺電子』の本編第1話「バックアップ」の内容を紹介していこうと思いますが、この先原作1巻の40ページ、アニメ1話のネタバレが含まれているのでご了承下さい。

「バックアップ」の内容を簡単に説明すると、ヒューマノイドは電脳さえあれば肉体的損傷で死ぬこともありませんが、電脳が壊れると当然ながら死んでしまいます。

ですが、電脳が壊れても対処することが可能な方法があり、それがバックアップを取って置くことです。

バックアップを取ることは重度の犯罪行為ですが、それを知りながら妻のバックアップを取った結果、妻がウイルスに感染してしまった家族の話が本編第1話「バックアップ」です。

最終的にバックアップのデータにはウイルスがないことが分かり、バックアップからの復元に成功します。

ここだけ切り取ると良い話に聴こえますが、この話のテーマには「記憶消去してバックアップを使った場合、その人格は同一人物なのか?」が考えられます。

もし自分がバックアップされる立場だと考えるとゾッとしてしまいますが、本編ではバックアップ前とバックアップ後の違いを数コマで書かれています。

・バックアップ前

出典:AIの遺電子

・バックアップ後

出典:AIの遺電子

作者の山田胡瓜さんは、想像できる結末や答えをあえて描かずに、どのように捉えるかは読者に委ねる手法を取っているため、幸せの在り方や人間として大切なことを読者それぞれ自由に考えられます。

魅力③ 近未来型ブラックジャック

多くの人が名前くらいは知っているほど有名な「ブラックジャック」は、医者免許を持たない代わりにどんな病気も治す天才外科医が多くの悩みを抱える患者達と向き合っていく中で垣間見える心理描写を描いた医療漫画です。

「ブラックジャック」と『AIの遺電子』はどちらも、一話完結型で描かれ考えさせられる内容が多いですが、「ブラックジャック」は主に人間を治療するのに対して、『AIの遺電子』は主に人工知能を治療することが双方の大きな違いになっています。

「ブラックジャック」に登場するドクター・キリコやピノコのような立ち位置のキャラクターが『AIの遺電子』にも登場し、単行本の帯に「これぞ近未来版ブラック・ジャック!」と記される通り「ブラックジャック」をオマージュした作品であることが分かります。

治療する対象が人間から人工知能に変わるだけで、考えさせられるテーマもガラッと変わり、現代社会を生きる私達に刺さる内容が多いので、「ブラックジャック」が好きな方には特に進めたい作品です。

魅力④ 1話完結型

この作品は3部作に分かれていますが、1部作の『AIの遺電子』全8巻87話全て1話完結型の内容になっています。

「ブラックジャック」、「地獄少女」、「夏目友人帳」、「蟲師」などのように1話完結型の作品は気軽に観ることが特徴的ですが、ワンパターンな展開に飽きてしまう人も少なくないです。

全8巻87話も1話完結型の内容が進めば、いずれマンネリ化してしまうと考えるのは普通の考えだと思いますが、この作品は最初から最後までネタが尽きる気配が全く見えませんでした。

作り込まれた世界観と著者の知識量が飽きる事を忘れさせてくれるほど長く楽しめる作品です。

ちなみに2部と3部では1話完結型で描かれておらず、一連としたストーリーになっており、2部では1部を読み進めるうちに疑問に感じる、AI社会に至るまでの問題やAIを用いた犯罪、3部では主人公の過去が詳しく描かれ、『AIの遺電子』の世界観がより鮮明に映し出されます。

まとめ

今回は、2023年7月から放送されたアニメ『AIの遺電子』について、物語の魅力・見どころを紹介しました。

『AIの遺電子』の魅力は以下の4つです。

・世界観
・考えさせられる話
・近未来型ブラックジャック
・1話完結型

内容に深くかかわってくるネタバレを避けたため、大雑把な説明になっていた所もあるかもしれませんが、いかがだったでしょうか?

以上のことをまとめると『AIの遺電子』は、ヒューマノイドと人間が共存する近未来が舞台のSFストーリーであり、AIが発展した未来が来るのであれば本当に起こりそうな問題がリアルに描かれ、フィクションだと分かっていても深く考えさせられる作品です。

アニメと漫画はどちらから観るのも読むのもオススメですが、漫画では1話以外の話数が16ページに収まる内容で描かれているので、漫画の方がより気軽に読めます。

アニメの視聴を考えている方は、下記の記事で観る事が可能な配信サービス・おすすめのサブスクリプション・無料でアニメを観る方法を紹介しているので、よければ参考にしてください。

【2023年夏アニメ】視聴可能な動画配信サービスとおすすめサブスクを徹底比較!


AIの遺電子 1 (少年チャンピオン・コミックス)
最新情報をチェックしよう!